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​STORY

​※当ページは本編のネタバレを含みます。

『くっ、来るのが遅くなってごめん!!』 
 〜『今助けるからね!!お願い、死なないで…!!』

『でも、あんなにボロボロだった陽向くんが、大きくなって、今もこうして僕の隣にいる。 それが何よりも嬉しいんだよ』

『あんまじゃれつくなって〜♪』

『全く、世話の焼けるやつだな』

『ウチの後輩が随分と世話になったらしいな』

敵の攻撃によって霊力が封じられ、陽向は意気消沈していた。精巧な術にかかってしまい、誰も解くことが出来ず、術をかけた相手の正体や居場所すらわからないままだった。


そんな中、勇渚は独自のルートで敵のアジトを突き止め、椿と共に乗り込んだ。強力な結界をものともせず、二人は瞬時に敵を薙ぎ倒していく。


「ウチの後輩が、随分と世話になったらしいな」


ついに陽向に術をかけた相手を見つけ出すと、勇渚は膨大なオーラを放ち、鋭い眼光で相手を睨みつけるのだった。

『約束、忘れたとは言わせないぞ』

 夏休みの間に故郷へ帰省していた海璃。しかし横浜は襲撃を受け、無惨な姿へと変わり果ててしまっていた。吏翔の無事を確認すると、海璃は昔交わした約束を思い出していた。


 "二人で立派な警官になろう"


 崩れ落ちた街を背に、海璃は吏翔に問いかける。


「…これ以上、同じ悲劇を繰り返させる訳にはいかない。戦おう、俺たち二人も。ほら、あの時も約束しただろ?」


 その刹那、吏翔の表情に陰りが見えたような気がしたが、海璃は彼に向かって拳を突き出した。


「約束、忘れたとは言わせないぞ。」


 そう詰め寄る海璃の目はどこまでも純粋だった。

『全部ウソに決まってるだろ?』

 今まで一緒に過ごしてきた吏翔は本物ではなく、別の誰かだと気づいた海璃。陽向たちの前から逃げる彼を追いながら、海璃は吏翔と過ごして来たこれまでを振り返っていた。


 俺たちの思い出は、あの日交わした約束は、全て嘘だったのかー。


 去り際にこう叫んだ海璃に、その"誰か"は容赦なく言い放った。

『全部ウソに決まってるだろ?』

『全部、僕のせいだ……』

『由渚さんがご無事で何よりです!』

『僕は絶対…あなたを許さない…!!』

 勇渚に致命傷を負わせ記憶喪失に追いやった相手を、陽向は『勇渚の協力者』である椿や蓮と共に追っていた。


 MATの関係者に黒幕がいることが判明すると、彼らはかつて勇渚の力を巡る抗争で大切な人を失い、その復讐のために彼女を抹殺しようとしていたことが明らかになる。


 しかし、勇渚もまた自らの力が引き起こした犠牲に苦しみながら、それでも向き合い続けていた。その事実を夢を通じて知っていた陽向は、強い憤りを覚える。


「僕は絶対に…あなたを許さない!」


 やがて、勇渚が生きていることに勘づいた犯人たちにより再び刺客が送り込まれる。協力者たちと共に交戦する中、怒りの感情に支配された陽向は強引に『霊装』を解放し、暴走を始めるのだった…。

『もうあなたと話すことはないよ』

 「またのんびりおしゃべりでもしようか?」と、冷笑する声。陽向は、宿敵・クリスティアンと対峙していた。


 (名称未定)が日本に拠点を移してから約3ヶ月。各地で侵攻が始まり、陽向たちの前にも幹部である屍術師・クリスティアンがついに立ちはだかる。しかし、その圧倒的な力の前に彼らはねじ伏せられ、大敗を喫した。


 陽向はこれまで、どんな敵でも「必ず何か理由があるはずだ」と信じてきた。無益な争いを避けるためなら、たとえどんなに不利な状況だとしても話せば分かり合えると思っていた。しかし、彼との戦いは違った。圧倒的な狂気を前になす術もなく、仲間である海璃たちも深手を追った。このままでは、大切な人を守ることはできない。


「もうあなたと話すことはないよ」


 たった一言、冷たく言い放つ。大切なものを守るためには、非情にならなくてはならない。クリスティアンを真っ直ぐ見据える陽向の目には、もう迷いはなかった。

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